
最近じわりと存在感を増してきたコミュニケーション・サービスに Twitter があります。登場した頃は何が良いのかまったく理解出来ませんでした。それは今現在でもあまり変わりません。しかし、最近の色々なニュースを見ていると Twitter に関連するものが沢山流れていて非常に気になる存在となって来ました。
インターネットが一般の世界に浸透し始め、誰でもが電子メールを使う時代となり、Web が当たり前になり、携帯メールからインスタント・メッセージの世界が広がり、多くの人がブログを書き、RSS で情報がキャッチされるところまで来て、今度は「つぶやき」へと進んで行くようですね。
Twitter のサービスは「いまなにしてる」かを「つぶやく」マイクロ・ブログサービスで、140文字までの短いメッセージを一回の「つぶやき」として投稿します。投降した「つぶやき」はタイムラインと呼ばれるメッセージを時系列に並べる表示方法でブラウザ上に表示されます。基本的にはこれだけの仕組みです。
しかし、その「つぶやき」は誰かに対して発したものではなくネットワークに繋がる皆に発したものとなっています。つまり読もうと思えば(そのつぶやき人の Twitter アドレスにアクセスさえすれば)何時でも誰でもその「つぶやき」が読めるということです。
その誰かが投稿した「つぶやき」を読んで面白いと感じたらそのメッセージを何時も読む(フォローする)ように設定すると、自分の Twitter のページにフォローしている者の「つぶやき」が自分の「つぶやき」と同じように時系列に表示されていきます。同じようにこちらの「つぶやき」を誰かがフォローするとその相手のページにこちらの「つぶやき」が順次表示されるようになります。こうしたフォローを繰り返しながらネットワークを広げていくという仕組みです。
残念ながらこれだけでは何のことはない仕組みだし、何か面白いのか? 他人の「つぶやき」に何の価値があるのか? と感じていたので Twitter に関してフォローする(これこそが Twitter 言葉ですが)ことは何もしていませんでした。
しかし、先月頃から大きなニュースが幾つか飛び込んで来るようになりました。実際は私が Twitter に注意を払っていなかったので知らなかっただけで多くのニュースが既に流れていたのでしょうが、特に注意を惹いたのが Microsoft が検索の「Bing」で「Twitter」のリアルタイム検索を行うというニュースでした。
japan.internet.com における Microsoft Bing と Twitter のニュース
このニュースでは Microsoft が同じような取り組みを Facebook とも行うと発表しています。そうするとその数時間後に今後は Google が同じようなニュースを発表しました。
TechCrunch での Google の Twitter 検索のニュース
このニュースから Google も Twittter のつぶやきを検索結果に含めることになります。この記事の中で Google は「リアルタイム情報を得ることが重要な場合に Twitter 検索は大きな力を発揮するでしょう。やがて、たとえば、あなたがスキーをしに行こうとしているときに、 Google で Twitter を検索し、目的のスキー場の雪の様子を Twitter ユーザーからリアルタイムで聞くことができるようになります。」と語っています。
私が今 Twitter に注目している理由は、こうした「リアルタイム情報」を捉えるのに Twitter の「つぶやき」や同様のサービスが有効に機能するかも知れないという予感から来ています。
リアルタイムに流れる「つぶやき」はある意味での人々の心の流れであり、人間の「うねり」でもあります。そのデータ量が大きくなってくるということは今現在の「人間のうねり」を検索という手段で捉えることが出来る可能性が出てきます。そこに静かな注目があったと考えていますが、Twitter 自身は最初こうした「つぶやき」だけを捉えて検索していました。
しかし、徐々に機能が増すに連れてつぶやいているユーザのリンク先もクロールして検索するようになり、検索範囲に広がりが生まれてきました。
それでも Twitter そのものが何処まで検索機能を搭載できるかは未知数でした。
Twitter の最大のキーポイントはリアルタイム性にあります。Google のクロールは Web が更新されなければ最新の情報になりませんが、Twitter の場合はつぶやいたその時の情報が手に入り、それにさらにリンクされている情報にまで検索の手を伸ばせるということで、これまでの検索とは違ったリアルな世界に手が届くようになります。
そして、その検索を Twitter だけでなく Microsoft や Google が自社の持つ技術を利用して行うということで、リアルタイム検索の実現度がぐっと増したと言えるでしょう。今後どのような関連付けが Bing や Google で行われるか分かりませんが、検索技術の向上と共に人間の心の動きが捉えられるような結果が出てくることを期待しています。
ニュース、スポーツ、株式市場、イベント情報・・どれも一番新しい情報に価値がある場合が多いと思われます。既に定義された静的な情報だけでなく今流れている情報をインデックス化させることで、複数の情報が同じ時間に存在していても一番注目されているのはどれか、注目度の時間的な変化はどうか、上向きか下向きか、などこれまでにはなかった指標も登場することでしょう。
こうした検索結果が時間軸と共に手に入るようになれば、これまでマスメディアが意図的に流していた情報と実際の人々の「つぶやき」との違いもはっきりと認識できるようになるでしょう。企業の市場調査への活用も考えられますし、新聞やテレビ局の世論調査などの不透明なデータ収集方法や質問内容の偏りも是正できるかも知れません。とにかく今後の技術開発に期待したいと思います。
また、別の面白い見方として、これまではデータを収集してきた Google のような企業が勢力を奮ってきましたが、今後は Facebook や Twitter、eBay や Apple などのコミュニケーションを取って「人と人を結びつける」ネットワーク・サービスの時代になるという予想もあります。インターネットが一部の人間の道具からリアルな人間の繋がりへと変化するということでしょう。
現在殆どの人が所有していると言われる携帯(スマートフォン)を使用してメッセージを送る SMS を前提としてスタートした Twitter の「つぶやき」は PC とは違う広がりが既にあると言えます。
また、Twitter がその「つぶやき」のストリームを Microsoft と Google にオープンしたことで、何らかの巨額の金が Microsoft と Google から Twitter に流れ込むことになりこれまで何かとシステムの不安定さを酷評されていた Twitter も十分な費用をかけてサーバー環境を整えることが出来るようになるでしょう。そうして信頼性が上がれば更に多くの「つぶやき」をリアルタイムに流すことが出来ます。とにかく「つぶやき」が金に替わった 2009年ということですね。
今現在も Twitter に関連する多くのニュースが流れていますが、これらは Twitter が持つリアルタイムな情報の流れを新しいビジネスへと繋げようとする試みですね。実際に予想するような未来に Twitter の世界が到達できるかどうかは今後の企業と利用者のアイデア及び実践にかかっていると思います。もちろん検索技術による分析に大きな期待を寄せていますが、これまでの技術でビジネス展開した場合の事例を少し見てみたいと思います。
コムキャストの例
米国最大手のケーブルテレビの会社コムキャスト(Twitterアカウントは http://twitter.com/comcastcares/)は、10人のチームで Twitter や Facebook などを監視しています。誰かが Twitter に自分のコムキャストのテレビがうまく機能していないと書き込むと、コムキャストのチームはその人にすぐ連絡します。そこでお客様をきちんと繋いでおかないとサービスが解約されてしまうとコムキャストは考えているため、即座に反応してくれます。

コムキャストは以前にカスタマーサポートで大きな問題を起こし、全米中にその醜態を晒した過去があるのですが、現在ではそういった汚名を返上するためにこうしたネットワークを最大限に活用しているようです。
Dell の例
Dell のアウトレット販売(Twitter アカウントはhttp://twitter.com/comcastcares/)のケースですが、このアカウントには 100万人以上のフォロワーがいて、そのフォロワー向けに非常にシンプルな試みを展開しています。在庫となった商品があると、例えば「Latitudeを300ドルで販売しています」という情報をどんどん発信しています。これによって 200万ドル分の PC を販売したそうです。
日本IBM や News2U.net
日本IBM や News2U.net では Twitter を利用したプレスリリース配信を開始。Twitterは、企業が消費者に対してアプローチする新たなマーケティングチャネルとしても認知され始めています。
企業がリリース情報を該当する Web のリンクアドレスと共に「つぶやく」。その「つぶやき」をフォローした者がそれをさらに「つぶやく」。
そうした流れを作って企業や製品の認知度の向上とブランド力を付けるというマーケッティングの流れは分かり易い試みだと思います。
それに加えて私が興味を持つのは、作業現場で起こっている状況の認識や分析をその場の「つぶやき」を拾うことで捉える事が出来るかもしれないということです。
その場で起こっている現象はその時の「つぶやき」から類推できることも多いと思います。しかし時間が経過して「あの時はこうでした」というレポートになってしまうとヒントになる情報が既に失われていて問題解決が長引くということもあると思います。また「ここでこういったことが出来たらもっと良くなるのに!」と感じることはあっても改めて報告する時にはもう忘れているということも沢山あります。その時その時の「つぶやき」が時系列に自動的に集約される仕組みは、これから色々なアイデアの中で磨かれて良いサービスに繋がるかも知れません。
Twitter や Facebook 等に代表されるリアルタイムウエブの未来に期待しながらそろそろ私も Twitter で「つぶやき」を・・・
(参考)
以下は、ごく最近の Twitter に関係したニュースの一部です。なかなか情報が賑わっていますね。
2009/11/13
マイクロソフトはゲーム機「Xbox 360」の会員制インターネットサービス「Xbox LIVE」で、米大手 SNS「Facebook」とミニブログ「Twitter」を利用可能にすると発表。全世界に約2000万人いる Xbox LIVE 利用者のコミュニティ機能を強化。
2009/11/12
日経 BP、Twitter と連動する女性向けコミュニティを公開
日経 BPは、女性向けサイト「日経ウーマンオンライン」において、新たなコミュニティサービス「日経ウーマンオンライン女子部」を公開。いま自分が何をしているかを一言で投稿する「働き女子のジブン実況中継」、投稿内容から投稿者の元気度を算出する「元気度チェックツール」などから構成される。
2009/11/12
エクストーンは時系列で写真を管理する写真共有サービス「1DAY1SHOT」ベータ版を公開 Twitter とも連携
2009/11/12
WiFi で Twitter に体重をつぶやく体重計
この体重計は、体重や体脂肪などの統計値を記録・蓄積し、ウェブや『iPhone』にグラフとして表示することができる。そして今度は、測定者への「励まし」となるもののリストに、Twitter での「つぶやき」が追加された。体重計に乗るたびに体重が Twitter に公開される。つぶやきの頻度は、毎日、週1回、月1回のいずれかに設定でき、目標を達成するまで「減らさなければならない脂肪の量」がその頻度で公開される。

2009/11/6
つぶやいてミツバチを救おう - ハーゲンダッツが Twitter でキャンペーンを実施
運動の意義を Twitter で PR するユーザーに代わって寄付をしようという「スポンサーつぶやき」。そのスポンサーは世界的なアイスクリーム・メーカーの Häagen-Dazs(ハーゲンダッツ)。目的はミツバチを救うこと。
2009/11/06
BIGLOBE、ウェブリブログを Twitter と連携
NECビッグローブ(BIGLOBE)は同社のブログサービス「ウェブリブログ」で、ミニブログサービス「Twitter」との連携機能を提供開始。ブログ記事の投稿と同時に、記事のタイトルと URL を自動的に Twitter へ投稿する。
2009/11/05
エイケア・システムズ、メール配信サービスと Twitter の連携を開始
エイケア・システムズは、メール配信システム「MailPublisher」が配信するメールタイトルを「Twitter」に自動投稿するサービスを開始。
2009/11/05
アマゾン、Twitter への商品リンク掲載機能をサイト内に統合 -- 会員向けに
Amazon.com は「Amazon Associate」会員が Twitter アカウントを使って Amazon の商品へのリンクを他のユーザーに知らせることを可能にする新機能を公開。この新機能により、同会員は、ツールバーのリンクをクリックして Twitter にリンクを送ることができるようになる。
2009/11/02
Twitter のつぶやきで作るグルメサイト「Tabetie」がオープン。
Twitter を通じて認証ログインすることでショップ情報の登録、「ここのお店で食べた」といったつぶやきを投稿できる。同時に発言者の Twitter タイムラインにも Tabetie の URL 付きでつぶやきがポストされる仕組み。
2009/10/29
住所を知らない Twitter の友人にも年賀状を送れる -- Ripplex が「ウェブポ」開始
Ripplex は郵便事業と連携して、オンライン年賀状送付サービス「ウェブポ」の提供を開始した。ウェブポは Twitter でフォローしあう関係にあるユーザーなど、住所や本名を知らない友人や知人に対して年賀状を郵送できるサービス。サービス提供期間は 10月29日から 1月15日まで。価格は通常1通128円、スポンサー付きのテンプレートは 1通48円、そのほかに 1通180円のプレミアムテンプレートを用意する。
2009/10/27
Twitter で「飲食店なう」を支援する機能 -- iPhoneアプリ「30min.」がアップデート
Twitter と連携し、おでかけ状況をリアルタイムに友人などと共有できるようになった。Twitter 連携機能を使い、いまいるお店、いま食べているメニュー、お店の混雑情報などを Twitter 上の友人と共有できるようになる。これからはみんながいま行っているお店がわかるようになる。「お店が Twitter アカウントを取得する動きも広がっている。パン屋さんがパン焼けましたとか、ラーメン屋さんがいま何人くらい並んでいるとかつぶやいたら面白い。」
2009/10/26 15:06
GREE、Twitter対抗サービスに -- PC版を 140字の「ひとこと」SNSにリニューアル
グリーは11月上旬に PC 版サイトをリニューアル。140字以内の一言コメント機能を前面に押し出し、人気のミニブログサービス「Twitter」に対抗する。「ひとこと機能を中心にして、リアルタイムな SNS にするというのが趣旨。Twitter のようなサービスが最近流行っていることを受けて、日記を書き合うという昔のスタイルから、もっとリアルタイムにいま何しているかを書き合うように全面的に変えました。」
2009/10/22
Microsoft、Twitter のリアルタイム検索開始 -- Bing Wave 2 の第1弾
2009/10/22
Google も Twitter 検索提携を発表
2009/10/22
はてなブックマークが Twitter と連携 -- URLをつぶやくとブックマーク登録可能に
はてなは、ソーシャルブックマークサービス「はてなブックマーク」に Twitter との連携機能を追加した。Twitter で「(コメント) B! URL 」の形式で投稿すると、数分~数十分後に自動ではてなブックマークにそのURLが追加される。
2009/10/22
サイバーエージェント、Twitter ライクな新サービス「Amebaなう」12月開始
サイバーエージェントが 12月中に、短いつぶやきを投稿するミニブログサービス「Amebaなう」(仮称)を提供することを明らかにした。
2009/10/20
価格.com、Twitter で大幅値下がり製品やタイムセール情報を発信
「価格.com」とホテル予約サイト「yoyaQ.com」は Twitter を用いてお得な情報や旬の商品情報を発信し始めた。価格.com の製品ページの Twitter ボタンをクリックすると、Twitter サイトに移動し、つぶやき欄に自動的に「製品名」と「製品リンク」が挿入される。自分の気になる製品を Twitter に投稿できる仕組み。また、yoyaQ.com の Twitter アカウントに宛てにつぶやくと、おすすめホテルの情報を返してくれる。たとえば、「@yoyaqbot 駅名(日にち)(人数)(食事条件)」とつぶやくことで、駅周辺の最も安いプランを教えてくれる。
2009/10/20
Twitter で翻訳依頼できる「140Trans」-- 140字以内の翻訳結果が無料で
エニドアは Twitter で翻訳依頼ができるサービス「140Trans」を開始した。140文字以内の文章の翻訳を Twitter で依頼すると自分の Twitter アカウントに翻訳結果が返ってくる。無料で利用できる。140Trans は 47言語に対応している。同一の Twitter カウントから 1日3回まで翻訳依頼できる。
2009/10/20
Twitter のつぶやき、50億件に到達か
Twitterのつぶやきが、このほど50億件に到達したようである。
2009/9/22
MySpace、Twitter との双方向同期をサポート
MySpace が Twitter との双方向同期を開始した。MySpace の最新ステータスが Twitter に転送されて全フォロワーに見えるようになると共に、Twitter の近況アップデートも MySpace の行動ストリームに現れるようになる。
2009/6/3
サンフランシスコ市が Twitter での苦情受付を開始
サンフランシスコの Gavin Newsom 市長と Twitter 共同ファウンダーの Biz Stone が、今後サンフランシスコ市民は、道路清掃、落書き、道路の穴、放置自転車、ゴミ問題、騒音問題等々に関する苦情を、Twitter 経由で市当局(@SF311)に送れるようになったと発表した。311は、市のサービスの総合受付番号で、住民は 311番に電話をかけるとコールセンターに繋がり、市のサービスについての質問や苦情を言うことができる。新サービスで便利なのは、道路の穴やあふれたゴミ箱、落書きなどさまざまな問題の画像やビデオを送れることだ。@SF311 に DMを送ると、サービス受付番号が送り返されてくる。@SF311 宛つぶやきの返信を担当する専任スタッフがいると思われる。
2009/4/22
現サンフランシスコ市長、Twitter でカリフォルニア州知事選出馬をつぶやく
Gavin Newsom サンフランシスコ市長は、カリフォルニア州知事選挙への出馬表明を Twitter で行い、瞬時に 27万人のフォローワーに新しい演説ビデオ(下に貼ってある)が送られた。Newsom 市長は、ソーシャルメディアを使って有権者と繋がりを持とうとしている。市長はつぶやきと並行して、Facebook のファン 3万7000人にもメッセージを送った。
2009/03/24
セールスフォース・ドットコム、「Service Cloud」に Twitter を追加
Salesforce.comは「AppExchange」に新しいアプリケーションを追加し、「Service Cloud」のユーザーが顧客サービス業務で Twitter を利用できるようにした。「Salesforce CRM for Twitter」と呼ばれる新アプリケーションを利用して、ユーザーは自社に関連した Twitter のメッセージを監視し、その返信や会話を収集することで、問い合わせや苦情に対応できるようになる。
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