
4th of July はトマス・ジェファーソンにより独立宣言が交付され、イギリスからの独立が宣言されたことをお祝いする日であって、実際に独立した日ではありません。1776年7月4日に植民地の代表からなるアメリカ大陸会議(Continental Congress)が独立宣言(The Declaration of Independence)を採択(adopt)した記念日です。
4th of July がアメリカ全土で祝われるようになったのは 1812年戦争(the War of 1812 :米英戦争)以降で、1870年代には全米最大の非宗教的祝日として定着しました。ちなみに米国の祝日には宗教的(キリスト教的)な意味合いを持った日が多いという特徴があります。
とにかくアメリカ国民はこの 4th of July を盛大に祝います。町中に無数の星条旗が掲揚され、普段は禁止されている花火の販売もこの日に限って認められている地域も多く、もう国中が花火とバーベキューと各種イベントで埋まるというような状況です。

また祝日の前後は多くの店舗が特売を実施し、消費行動も活性化します。アメリカの祝日は土日と組み合わせて 3連休を構成する事が多いのですが、4th of July は数少ない日付が固定された祝日ですので、曜日の影響を受けないようにその週すべてを独立記念日セールとしているショップも多く見受けられます。
現在のアメリカの街の様子を見ると、4th of July はアメリカ独立の精神というよりも「花火とイベントと特売だ!」というように見えてしまいます。
以下は今年の 4th of July における White House 近郊の花火の様子です。14分以上の長いビデオですがその盛大な様子が良く分かりますね。
また、次のビデオは同じく 4th of July におけるニューヨークでの花火の様子です。このように全米はもう花火一色となります。
花火、イベント、ショー・・・となると付き物なのが、事故、怪我、喧嘩、酔っ払い、火傷、山火事、飲酒運転・・という問題です。特に乾燥したカリフォルニア地方では花火が山火事を引き起こすことが多く、この時期は消防関係者が厳戒態勢で臨むことで知られています。山火事はもちろん大きな災害ですが、花火に纏わる事故も多くレポートされています。
U.S. Consumer Product Safety Commission の報告では、2009年における花火が原因と考えられる緊急治療者数は 9000人を超えていますが、特にこの時期に事故に遭遇した人数は 6000 人を数えるようです。日本と違って米国では特別な日を除いて花火を禁止している州が沢山ありますが、もし花火が何時でも何処でも可能であるということになれば、米国人の性格から想定して、どれだけの怪我人や火事が発生するか・・うーん、ちょっと恐ろしいですね。
そうした事故の中には、単純な火傷から、指の喪失、視力障害、失明、死亡事故までが含まれています。従ってそれらを防止するためのガイドラインも様々な場所や機会を通して示されています。
花火の事故が一番多いのは 15歳から 19歳までの若者
しかし、見物人や子供も「軌道から外れた花火」や「残骸」による危険性がある
その閃光やスパークから目に障害を受ける可能も高い
スパークそのものが非常に高温であるための火傷
花火に含まれるアルカリ成分によって眼球そのものに障害を受ける
事故を避けるためには、
花火を行う場合は出来るだけ新しい花火を購入し、古い花火を使用しない
一度点火に失敗した花火に再度引火する事は避ける
信頼される業者から花火を購入すること
自家製の花火は出来る限り使用しない
などなどです。

また、アルコールが入ることで特に注意すべき事は、やはり飲酒運転です。関係のない人が飲酒運転に巻き込まれて被害者となる悲劇は避けなければなりません。そうした悲劇を避けるために、フリーのタクシーをこの日に限って提供する町やボランティア組織もあります。
SoberRide と呼ばれるこうした取り組みは主に NPO グループのサポートで実施されています。その一つが、The nonprofit Washington Regional Alcohol Program's (WRAP) と呼ばれるワシントン DC 地域を主に活動している組織です。本来は飲酒運転やアルコール中毒者の問題を低減するための取り組みを行っている組織ですが、様々な企業のサポートを受けながら 4th of July にフリーのタクシーを提供して安全な祝日作りに貢献しています。
こうしたプログラムは慈善団体からに寄付に加えて、GEICO のような保険会社、レストラン組合、ビール協会、大規模小売店舗、そして多くの個人献金と、このプログラムに賛同したタクシー会社によって成り立っています。こうした取り組みもアメリカらしい取り組みだと言えますね。
さて、こうしてお祭り騒ぎで盛り上がる 4th of July ですが、そもそも「アメリカ独立宣言」とはどういうものなのでしょう。
アメリカ独立宣言
アメリカ独立宣言:The Unanimous Declaration of the thirteen United States of America は、イギリスによって統治されていた 13の植民地が、独立したことを宣言する文書です。
独立宣言は、基本的人権と革命権に関する前文、国王の暴政と本国(=イギリス)議会・本国人への苦情に関する 28ヶ条の本文、そして独立を宣言する結語の 3部で構成されています。前文には、「全ての人間は平等に造られている」と唱え、不可侵・不可譲の自然権として「生命、自由、幸福の追求」の権利を掲げ、アメリカ独立革命の理論的根拠を示しています。
理論的には名誉革命を正当化したジョン・ロックの自然法理論の流れを汲んでいます。
但し、この宣言にある「全ての人間」は白人に限られ、有色人種と女性は含まれていません。
アメリカ独立の時点では「人間」=「白人」という概念であったということを知っておかなければ、米国および米国人の行動原理を深く理解する事は出来ません。
アメリカ独立宣言の訳文
細かい内容は上記のリンクやその他インターネット上に沢山の情報がありますので、ここでは割愛しますが、この「アメリカ独立宣言」を読めば読むほどアメリカの行動に矛盾を感じるのは私だけではないでしょう。
普通に読めば、現在のアメリカ合衆国の行動はこの「建国の精神」から遠くかけ離れたものとなってしまっていると理解されます。ここで言う「独立」とは、海外からの暴力による政治的・経済的支配、それをもくろむ権力への地域住民からの訣別です。専制と暴政に抗して立ち上がるのは人民の権利であり義務であると述べていますが、それは外国勢力が軍事力をもって特定地域に介入することを容認することではないのは明らかです。
また、政治権力は被治者の同意に由来しなければならない、植民地住民の直接の信任を受けていない権力による圧力と武力行使は非難されるとも述べていますが、アメリカが主導するアフガンやイラクでの戦争はこの内容を無視したものであると言えるでしょう。
この「アメリカ独立宣言」を読みその内容に共感を得る事の出来る者とは、即ち現在のアメリカやその他の強国に抑圧されている世界の民衆であるという皮肉な結果となっています。
それでも現在の世界観でこの宣言を読むのではなく、前述した「人間」=「白人」という概念で読み返すならば建国の宣言はある程度生きてるのかも知れません。植民地支配とは即ち白人によるその他人種の支配であったことは歴史を追えばすぐに分かりますし、植民地支配とキリスト教の宣教とが表裏一体で行われて来た事も歴史が証明している事実です。
そうした白人によるその他民族の植民地支配に唯一抵抗し、戦った民族が日本人であり、それがかつての戦争の主たる原因であったことを知らない日本人が殆どとなってしまった現在では、こうした独立宣言の中に潜む民族差別・人種差別、その基礎をなす宗教観などを捉えきれないまま、見た目の美しさ、言葉の高尚さだけで物事を判断してしまうという過ちを犯しがちでしょう。
4th of July を向える度に「日本はまだ独立していない」と感じる訳ですが、これはかつて白人世界と唯一対等に戦った民族として無言の差別を受けているのだろうと考えていますが、そういったことに気づく日本人は少ないのでしょうかね。

独立宣言から 330年以上の時を経て米国史上初の黒人大統領オバマが現在のアメリカを率いていることは、大きな歴史の転換点を迎えている証明でもありますが、アメリカの底流に流れる「人間」=「白人」という概念が 21世紀中に大きく変化し「アメリカ独立宣言」が「人類の独立宣言」へと昇華することを望みます。
そのオバマ政権ですが、ここへ来て石油流出問題、未だ解決しない移民問題、保険医療問題など多くの問題を抱えながら進んでいます。特に財政問題は各地に緊迫した空気を生み出しています。
6月11日、ニューヨーク市の高校生 1000人余りが、市庁舎を目指してマンハッタンをデモ行進しするという事件が起こりました。これは都市交通局(MTA)が、8億ドル(720億円)の赤字予算解消策のために学生を対象にした地下鉄パスの無料措置を廃止すると提案したことが原因です。
90億ドルの財政赤字で苦しむニューヨーク州はニューヨーク市への予算配分を削減し、増税なしに財政危機を乗り切るため、レイオフや賃金据え置き、一部福祉のカットといった道しか残されていないと判断したということです。
市職員の賃上げ分を帳消し、図書館の開館日数を週 6日から 5日に減らし、支部を閉鎖、市経営の託児所の一部も閉め、高齢者やエイズ患者、ホームレス、精神障害者を対象にしたプログラムの一部を廃止、ニューヨーク市立大学の奨学金や貧困層向け法律相談のための拠出金も削減という具合です。
そして更に財政危機が続くカリフォルニアでは、シュワルツェネッガー知事が 7月5日までに、州職員の給与を法律で定められた最低賃金である時給 7ドル25セント(約640円)まで削減する決定を下したことが大きく報じられています。ギリシャ危機などによる世界的な緊縮財政への機運が高まっているなかでのこの決断は注目に値します。
米国では 7月 1日から 2011年会計年度が始まりますが、その新年度予算が成立する前の一瞬を狙って繰り出した妙策だとも言えます。20万人以上の州職員の給与を、一律時給 7ドル 25セントにまで削減して支給するということですね。
新年度の予算が作成されれば不足分は払い戻されるようですが、どのような予算が組まれるか非常に注目される出来事です。
さて、日本では参議院選挙が行われていますが、日本の財政も危機が続いています。これを増税で乗り越えると言うのは更なる不況を招くことは間違いありません。過去にも同じ過ちを何度も犯しているにも拘らず、その方向に政策が向う愚は避けなければなりません。デフレ化で緊縮財政を行えば国民の活動は止まり、さらに税収不足になってご臨終です。
また、このままではギリシャのようになるという話は全く信憑性がありません。産業の無いギリシャでは国債は全てギリシャ以外の国に買ってもらわなければならず、借金を返せなくなれば破綻です。しかし、日本の国債は日本の中で回っています。つまり誰かの借金は誰かの資産なのですから、そこから問題が大きくなることは決してありません。
それよりももっと大きな問題は、税収が少ないのにも拘らずそれ以上の給与を公務員に支払っているという構造です。カリフォルニアに合わせよという事ではありませんが、収入が無ければそれに合わせた支払いにするのは当たり前の考え方でしょう。
公務員の収入を税収に見合った額にするか、収入を維持したいのであれば公務員数を削減してとにかく損益分岐点を下回らない構成にすることです。
産業が無ければ経済は発展しません。経済を発展させるために公務員は国のサービス機関として働く。経済が発展すれば国民の所得も増え、それに見合って公務員の所得も増える。そして公務員の平均所得は民間の平均よりも少し下回るべきなのです。
国の政治は国民が一番であって、公務員が一番ではありません。なぜなら日本では公務員は原則として首(レイオフ)にならないからです。

公務員にとっての仕事は、自分たちの所得を増やすためにも、どのように民間産業を活性化して行けばよいか?
これを国、地方自治体、その他の立場から必死になって考え、有効で効率の高いサービスを作り実施する事です。それによって日本の産業が発展し全体の収入が上がり、公務員の収入も上がるという構造に変えなければ、日本はギリシャと同じように破綻するでしょう。
ギリシャの問題は借金そのものではなく、産業もないのに公務員が高い給料と待遇を求め続けた結果なのですから。
この極めて単純な仕組みを取ることを表明し、宣言し、実行するような政治家はいないのですかね?
そうすれば誰の目にも明らかに日本は立ち直れるのですが・・・
米国の「独立宣言」の理想と、その実際行動との乖離は、お説の通りで、例えば戦前の米国の対日政策に如実に現れていると考えております。
返信削除米国人の「理想の二重性」について、はっきり指摘されたことは、単なる「陰謀史観」「とは異なるもので、これを読んだ多くの日本人が納得するものです。
だからといって、「所詮美辞麗句」とけなすことも出来ません。その主張と上手にハンドリングする巧みさが求められるのではないでしょうか。
従って、日本人の精神と真の姿を取り戻す為には、まず「自分の国は自分で守る」(米国との軍事同盟は必要だが)ことを決意するところから始めるしかないかも知れません。その為にも、過度に抑制的な憲法9条解釈を適正化し、自衛のための軍事力保持は憲法に反しないと解するべきでしょう。英語に堪能なブログ主さんは、9条2項の「前項の目的を達するため」との修正が、占領軍の理解を得てなされたこと、及びこの修正を受けて、日本に軍隊が組織される可能性が出たということで、連合軍側の対日理事会の要求で、所謂「文民条項」(憲法66条)が急遽追加された事実について、どのようにお考えでしょうか。