Google が TV 業界への本格参入しきてきた訳ですが、これより次世代ブロードバンド放送の本格普及に拍車がかかると考えられます。
細かい機能面はもう色々な Web でニュースとして記載されていますので、ここで重複することは避けますが、簡単にまとめると・・
ユニバーサル検索

人気番組名やキーワードを検索画面に入力すると、「電子番組案内」に登録された情報だけでなく、インターネットで提供されているレンタル・サービス、投稿ビデオ、過去に録画した番組などが一気にリストアップされます。ユーザーは番組の配信元が CATV かインターネットかを気にする必要がありません。もちろん検索は Google のお家芸です。
Google TV ではこれらの検索結果が TV とオーバーレイされ、より使い易くなり、TV だけで全ての処理を完結できます。
アプリケーションの実行

Google TV は OS に Android が採用され、ブラウザーに Chrome が使用されています。この構成では Google TV 上で Android アプリや Widget を動かすことができます。つまり TV の中で PC のように好みのプログラムを実行できるということです。
Android OS にはゲームやメール、ニュース速報など様々なアプリケーションが既に存在していますが、そうした既存アプリの利用だけでなく、今後は Google の開発力や Android や Chrome のデベロッパー・コミュニティーを利用した新しいアプリが投入されて、PC、携帯電話、TV の画面を融合させたようなサービスが登場するでしょう。
また、Google は Google TV 自身のオープンソース化やアプリケーションの公開を 2011年に実施する予定となっています。
標準化された Android プラットフォームでは既に世界中の開発者が様々なアプリケーションを開発しています。これはアップルが成功させた「iPhoneアプリ」と同じモデルです。このネットワークから多種多様なアプリケーションを調達することも出来るようになるでしょう。
ウェブ閲覧、オンデマンドでのビデオ閲覧

ブラウザとして Chrome を搭載し、FLASH も利用できるため、すべてのウェブが見られるようになっています。もちろん YouTube や Hulu などのサービスも視聴できます。
また、ソニーのプレミアムビデオ配信サービス「Video On Demand powered by Qriocity (“キュリオシティ”ビデオオンデマンド) 」を楽しめるとともに、CNBC, Napster, NBA, Netflix, Amazon, Twitter などの豊富なアプリケーションもプリインストールされています。

Google TV は「オーバーレイ(重ね合わせ)」というコンセプトを持っています。既存の CATV、IPTV、衛星TV やチューナー(地上波放送)と TV の間に位置して検索機能やアプリケーションの実行などを行うという構成です。これは現状の TV 映像の上に「オーバーレイ」させることで、TV とインターネット・サービス、パソコン機能などを融合させているということです。
スマートフォンをリモコンとして利用

Google TV はスマートフォンと連動させることが可能です。使い勝手がどうなるかに興味がありますが、スマートフォンも同じように Android アプリですから、Google TV との親和性やより便利なリモコン機能なども順次発表されるでしょうね。ソフトウエアが主体ですからアップデートすることでより便利な機能を手に入れることができるでしょう。
スマートフォンで見ていた写真や映像をボタン一発でテレビに転送し大画面で見ることも出来ます。
ホーム画面

テレビを起動したらカスタマイズ可能なホーム画面が表示されますので、よく使う機能に直ぐにアクセス可能です。
音楽も、写真も

Napster や Pandora と連動し、Flickr や Picasa ともつながります。TV が音楽ステーションになり、また、記念アルバムのシアターにもなるということです。
サーチバーから直接録画
検索と録画をシームレスにつなげる事が出来る。
ネットワークアップデート
Google TV には Wi-Fi が内蔵されていて、簡単に家庭内ブロードバンドネットワークに接続することが可能。そして、システムのアップデートはネットワークを通じて機器のファームウェアを自動的に更新したり、新しい機能を追加したりと常に最新の状態で利用できるようになっています。
つまり、Google TV の狙いは、TV をクラウド端末に生まれ変わらせるということでしょう。はたして Google は TV を真のクラウド端末に出来るでしょうか、Google は大きな挑戦に乗り出していると言えるでしょう。
Google TV は売れるか?
それはまだ分かりませんが、販売に一番影響するもの・・・それはやはり価格ですね。
価格も既に発表されていますが、予想を上回る安さで話題となっています。この価格で発売されるとなると、従来型 TV の時代が終わるという見方もあながち外れていないかも知れません。

・NSX-24GT1 24インチ $599
・NSX-32GT1 32インチ $799.99
・NSX-40GT1 40インチ $999.99
・NSX-46GT1 46インチ $1,399.00
46インチで1399.99ドル! 46インチの Android マシンと考えるとかなり安いと言えるでしょう。これはけっこう行けるのではないでしょうか。買ってお終いではなく、OS やアプリのアップデートで機能を向上できる訳ですから長期的に見てもお買い得でしょう。今後のマーケットデータに注目ですね。
日本では?・・・
現在のところ Google TV の日本での販売は予定されていません。

また、アメリカと日本では環境が大きく異なりますので、単純に日本でも同じように人気が出るとは言えません。米国では通常のテレビ番組のチャンネルが 100以上あり、専用化されたチャンネルはそれなりに高度な内容を持っていますし(日本のような何時見てもバラエティーばかりが流れているようなチャンネルはありません)、技術専門、歴史専門、スポーツ専門、映画専門でプログラムを流しているチャンネルや、ケーブルが一般的な米国ではオンデマンドで見たい映画を見ることも日常的な話です。
そのような環境では、テレビのチャンネルも Web 上のコンテンツと同じように、まとめて Google で探してしまえると便利でしょう。キーワードを打ち込むことで、Web 上の情報も、録画してある映像も、これから放映される番組も、またレンタルや購入出来る映画も、音楽も、写真やアルバムの閲覧なども一挙に出来て、かつそれが家のリビングルームで皆で楽しめるなら・・・ということですね。
特に Sony の Google TV では、別売の機器の取り付けは必要なく、最初から本体の中に全ての機能が組み込まれている点で、初期投資に関わる敷居がグット下がっていると感じます。日常の TV 生活に無理なくインターネット機能がオーバーレイして入り込んだ構成ですから、Sony に限らず他の大手企業が今後参入して来るならば自然な形で普及していくだろうと予想されます。

Google TV を使って、Facebook のゲームを延々とすることもできるし、テレビの視聴をしながら、見ている番組についてツイートをしたり、スポーツの試合結果を確認したり、関連の動画をインターネットから探すことも出来ます。また、好みのコンテンツへのアクセスをより簡単にするためのブックマーク機能も搭載しています。SNS が一般化した世界では TV と SNS との連携は必然的なものとなって行くでしょう。
何よりも、Android マーケットからダウンロードしたアプリにより、ユーザーが自由に Google TV を拡張可能ですから、まさにユーザー個人に最適にカスタマイズした TV 環境を作れるということですね。これまでの TV の常識から見れば革命的と言えるかも知れません。
Google TV が米国で大ヒットし、日本での展開を望む声が高まってくれば実現する可能性もゼロではないかも知れませんが、日本だと地デジチューナー&B-CASカードスロットが付加されて価格が高くなってしまうでしょう。それでも「3Dよりもコッチにしよう」という人が発生するかも知れませんね。

実際には日本のソニー関係者も「日本にはネット上にテレビ番組がないので当面は難しい」と語っているようです。米国では、ネット上に Netflix などの映画やテレビ番組を有料で視聴できるサービスが増えてきています。Google TV には、そうしたサービスを PC 上ではなく、TV 画面の中で利用しようというコンセプトがあり、そのようなサービスがまだ広く普及していない日本では Google TV の良さが十分に活かせないだろうと考えられています。
日本では複雑な権利関係の問題もあるので、当分の間、日本は蚊帳の外になりそうですね。
Google TV は Google の大いなる挑戦だと書きましたが、これは Sony にとっても大きな賭けなのだろうと思います。日本のお家芸と言われた TV の世界でも韓国、中国勢に押されている現在、3D TV だけで市場をけん引することは難しく、その他の付加価値を生み出さなければ最後はまた低価格化の戦いとなって市場から追い出されることになるのは目に見えています。
Google TV を利用して Sony の総合力を発揮し、息の長い収益性のあるビジネスを創造する・・これが Sony が自前の技術を捨ててまで Google と提携した理由でしょう。
Google TV には USB ポートに加え、HDMI ポートが 2つ以上付いています。単なるディスプレイならば HDMI は 1つで十分です。Sony はこの HDMI ポートを利用して新しい機器を接続する計画があるかも知れません。ということは Google TV をリビングに配置し、その周りに新しい Sony 製品が並んで行くような世界を想定しているのでしょう。

Sony は映像コンテンツも提供しています。コンテンツ提供者であり、かつ、TV での表示を担い、Google TV と連動して利用できる周辺機器も提供する。全てをネットワークでアップデートしながら最終的にはサブスクリプションのような収益構造を作り上げ、エコシステムを完成させるということでしょうかね。
そして、Google の持つ検索結果と連動することになれば、ユーザーのタイミングを見計らった広告情報の表示、ユーザーの地域分布を考慮した製品供給計画、使用される機能を集計しての新製品開発・・など、ネットと検索が結びついた情報力は大きな力を発揮するでしょう。
Sony は Google と一緒になって Google の持つデータセンターの機能を利用しながら独自ビジネスを構成して行くつもりなのかも知れません。
単品の勝負では生産規模と製造コストによる価格競争となり何時までも消耗戦を続けなければなりません。IBM が PC 事業から撤退したのもそういった理由からですが、Sony はこれまでの家電や携帯の戦いを通して情報を基盤としたより高度なエコシステムによって勝機を得ようとしているように思えます。
日本でこの Google TV と同じコンセプトが受け入れられるとは思いませんが、こうした TV とネットとの融合、ブロードバンド放送という仕組みには大いに期待しています。
ご存じのように放送業界は大きな利権に守られています。特に TV の番組はスポンサーの意向に左右され、それは一般のニュースにも及んでいます。全ての重要なニュースが TV や新聞で報道されているかというと、実際はそうではありません。世界で放送される日本の出来事が日本でまったく報道されない事あります。国民にとって重要な事実や情報もある意味では意図的に隠され、脚色され、偏向されたニュースとなって一般家庭に届けられています。
残念ながら日本の国民の多くは、新聞に書いてあること、TV で言われている内容、そうした報道の全てを何よりも正しい情報だとして受け取っています。これは何処か一部の放送局や新聞がおかしいのではなく、全体として偏向しているため何処を見ても同じ事が書いてあることからその内容が真実だと信じられているということです。

しかし、ネット上をくまなく調べて行くと、そこには多種多様な情報や分析があり「右向け右」「左向け左」のように TV や新聞で報道される情報には意図的なものが沢山含まれていることが分かります。俗に言う評論家や批評家も実際は何処かの勢力のスピーカーであり、国民を誘導し、民意を意図した方向に向かわせるための役割を担っています。
それでも、情報が何時も同じ方向からしか入らないのでは疑う術がありません。普通の国民が一家団欒する時に PC に向かってインターネットをすることはないでしょう。結果として新聞や TV のニュース、娯楽番組から入る情報が全ての判断材料となり、全員が同じ方向を向いた意見を持つようになります。そして、例外は排除され少数意見が無視される世界が生まれます。

しかし、Google TV のようにリビングルームにネットが入り、TV で流される内容の是非を一人一人がネットを介して検証したり、SNS を利用して議論したりする機会が増えてくれば、もっと国民に真実が届けられる可能性が高まります。そうすると国民が自分で情報の是非を判断できることとなり、噂や風評やプロパガンダに流されない生活を手に入れることが出来るでしょう。
また、放送局によって脚色・編集されたニュースではなく、全編をありのままに見ることの出来る環境も生まれてきます。放送局や新聞社の意向に沿った部分だけが編集された物を見せられている現状では、実際にそこで何が起こったのかを知ることができません。事実を知れば国民の意見も変わるはずです。
そう言った意味でも TV とネットの融合は多種多様な情報を取得し、自分の力で世界や周りの環境を分析する貴重な機会になると考えています。良くも悪くも Google が検索の世界を作り出してくれたおかげで、世界中の情報がネットを介して簡単に手に入るようになりました。もちろん中国のように国全体がネット情報を検閲しているところもあります。本当の実相は色々な意見を色々な方向から見なければ見えてこないことをこの機会を通して知ってもらえれば幸いです。
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