2010年10月29日金曜日

キーワードは・・?

スマートフォン、モバイル・ブロードバンド、WiFi スポット、エアー、
データセンター、クラウド、電子書籍、既存メディアの死、
そして・・・ソーシャルネットワーク と コミュニティー

2010年、今、を象徴するキーワードをタイトルに並べてみました。これらのキーワードを眺めながら、これから生み出されて来る新しい仕組みによって既存の常識や構造がジワジワとそして確実に破壊されていくのだろうと感じています。

前回のトピックで取り上げた Google TV も構成としては既存メディアとの融合を図っていますが、展開次第ではこれまでの放送利権を破壊する威力を持った新しいアイテムです。米国では、ケーブルネットワークが現在でも大きな勢力を誇っていますが、そういった放送メディアを飛び越えてワイヤレスネットワークが広がっています。4G等の次世代通信システムが広がって行くなかで、iPhone や Android 端末などのスマートフォンは今後飛躍的にその数を伸ばし、PC では実現できなかった各個人が個々にインターネット接続を持つという環境が実現されていくでしょう。

IDC のレポートでは、2010年のスマートフォン販売台数の伸び率を 55%、携帯電話市場全体の伸び率も 14.1% になるだろうと予想しています。また「2010年下半期の新製品の導入によってスマートフォンは爆発的に売れ行きを伸ばす可能性もあり、市場は予想をはるかに上回る成長を遂げるだろう」という見方をしています。更に、2011年の見通しも明るく、経済の先行き不透明感にもかかわらず、スマートフォン市場は 24.5% 成長すると予測しています。

日本国内でも、2010年上期のスマートフォン出荷台数は 223万台を記録し、2009年通期の 234万台に比べ、今年前半 6ヶ月で昨年 1年分の台数が出荷された結果となっています。

図は 2010年上期の日本市場におけるスマートフォンのシェアーです。

依然として Apple のシェアーの大きさが目に付きますが、2009年と比べるとそのシェアーは少しづつ下がって来ています。

Apple のシェアーの低下は、ソニー・エリクソン製の Android 端末「Xperia」の売上が Apple のシェアーを奪い取っているためです。






世界市場をみると、携帯型デバイスの世界販売台数は 2010年 4-6月期に前年同期比の 13.8% 増となり、その中でもスマートフォンが前年同期比 50.5% 増と躍進。世界の携帯型デバイスの 19% を占めています。この比率は今後さらに増加し 2011年には半分を超えると見られています。


スマートフォンの定義は色々ありますが、ここでは基本的に内臓されているウェブブラウザが「フルブラウザ」に統合されている端末のことを指しています。つまり、電話として使える、メールも送れる、写真も取れて、更に通常の Web ページをそのまま見れる端末のことです。また、スマートフォンにはネットからソフトウエア(ゲームを含むアプリケーション)を追加出来る物が主流を占めますので、ソーシャルネットワークの端末としても、ソーシャルゲームの端末としても利用され、まさに個人のお好みツールとして色々な場面で活用されることになるでしょう。

米国でも iPhone は大きなシェア―を獲得していますが、2011年にはいよいよ米国最大のワイヤレス会社 Verizon から iPhone が発売される予定です。


iPhone はこれまで ATT が自社の電話網の中で独占販売していましたが、電話会社を変えることを嫌がってこれまで iPhone を買っていなかった人も、現在契約している Verizon ネットワークで iPhone が使えるなら買い替えるという人が沢山います。私も、現在の携帯は Verizon ですが・・・きっとそうするかも知れませんね。もしくは iPhone に対抗して他の Android 端末がもっと安くなるかも知れませんね。それもまた嬉しい状況と言えますね。

そのような市場の活性化を背景にして 2011年はこれまで以上に、スマートフォンが利用されると見られています。

スマートフォンを中心にして Facebook でソーシャルネットワークに繋がり、Twitter で呟き、位置情報を利用した情報発信を行ったりしながら、ゲームを楽しんだり、ソフトを購入したりする人が増え続けるのは間違いありませんね。

既に Facebook のユーザ数は 5億人を超えています。人口が5億人以上いる国は世界でも数えるほどしかありませんね。

良く考えるとこの数は何をするにしても「物凄い可能性がある数字」ですね。Facebook には5億人以上のデーターベースがあり、その一人一人にアプローチできる ID が振られている。最初から5億人をマーケットの対象にして企画案を作れるならば・・・と色々考えてしまいそうです。




また、電子書籍の世界でも新しい波は止まりません。

米インターネット小売大手アマゾン・ドットコム(Amazon.com)は 10月25日、ベストセラーの上位10作品について、同社の電子書籍端末「キンドル(Kindle)」向けの電子書籍を購入する顧客がプリント版を購入する顧客の倍以上になっていると発表しています。

AFPBB News 記事 

遂に紙媒体を電子出版が超え始めました。確かに Kindle を持って読書を楽しんでいる人を最近は良く見かけます。文章を読むという事にかけては Kindle が一番使い易いということは間違いないでしょう。


そして Kindle と激しく戦っている Barnes & Noble の Nook は同じ日にカラー版のブックリーダを $249 で発売することを発表しました。こちらも更に激しい戦いになるでしょう。
新しい Nook は 7インチカラー版で、タッチスクリーン仕様となっていますのでカラーで雑誌やニュースを読んだり出来るだけでなく、ビジネスアプリやゲーム、Facebook なども出来るようです。Barnes & Noble は Nook を Kindle と Apple iPad との中間に位置付けてシェア―を取りに行こうという戦略でしょう。もちろんこれも WiFi 仕様となっていますので、ワイヤレスで書籍や情報を入手しながらソーシャルネットワークを活用して情報を広げるというスタイルですね。
Nook の情報ページはここから

こうして見ると、どれも手に入れたいと思わせてくれる商品なのですが、その中でも取り分け「これは欲しい」という気持ちにさせるのが、新しい MacBook Air です。


薄くて美しいだけでなく、その起動とシャットダウンの早さ、ベンチマークの結果などから予想以上の処理速度が期待できそうです。これは、Flash メモリーを利用した SSD (Solid State Drive) によるところが大きいのでしょう。128GB の SSD で十分かどうかはちょっと気になるところですが、使い方を工夫すれば問題はないと思います。


Apple が Air という名前を付けている本当の理由は知りませんが、Apple は従来ハードディスクに格納してきたデータを全てクラウドに置くようなコンセプトを実現しようとしています。つまり、全てのコンテンツをクラウドに置けるのであれば、大きなハードディスクでバッテリーを消費するのではなく、高速で手頃なサイズの SSD でバッテリー寿命を長持ちさせて利便性を上げることの方がユーザーにとって快適な環境になる・・・・ということを実現して行くのでしょう。

そうなれば Air という名前の如く、MacBook Air は WiFi + 3G/4G 環境で自由に使える素晴らしいマシンになりますね。

ということで、以下の写真は最近完成したと噂される Apple の大規模データーセンターです。米国 North Carolina 州 Maiden というところで稼働を始めているようです。


ちなみに、以下の YouTube ビデオはそのデーターセンターを上空から鳥瞰したもので、Apple はこれと同じ規模のデータセンターをもう一つ横に並べて建設するとも言われています。



iTune でダウンロードするミュージック、iPhone や iPad で使用するアプリケーションを配布する AppStore という仕組み、今後はパーソナルな情報もこうしたデータセンターに気軽に格納しておけるようになるでしょう。そうすると複数のマシンを持っていても、複数の端末(スマートフォン)を使っていても、何時も同じデータを参照することができるし、ネットワークに繋がりさえすれば何処に移動しても最新のデータを使うことが出来るようになります。

これは Google が進めているクラウドの世界と同じです。Google は同じことを Android 端末とブラウザ技術を活用して行っています。また Google TV とはコンセプトが違いますが Apple にも Apple TV という製品があり、どちらもクラウドからのデータ利用と、TV 放送網やオンデマンドのビデオ配信の世界との融合を狙っています。

モバイルがスマートフォンになって、掌の中からネットにアクセスし、Facebook を通じてソーシャルなコミューニティーに参加しながらスマートフォンの情報をリビングルームの TV 環境に送り(TV と連携)更に共有していくような世界が生まれてきました。

同じように PC とスマートフォンとの連携も進んできました。Google は PC 上で閲覧している情報をワンクリックでモバイル機器に送信してアプリを立ち上げ即利用できるような仕組みを発表しています。Google のブラウザー Chrome からワンクリックで、ウェブページ、地図、電話番号、YouTube ビデオなどの情報を Android スマートフォンに転送してすぐに利用出来るようになっています。



こうしてここ数年で色々なテクノロジーが融合して来ましたが、その中でソフト面つまり利用方法も進化しています。Facebook に代表されるようなソーシャルネットワークを利用して気の合う仲間とコミュニティーを作り、従来の制約を超えた個人同士のネットワークが日を追って広がり、さらに Twitter のような相応性のある世界も生まれています。このソーシャルの波は今後全てのものを飲み込んで行くかのように拡大していくでしょう。

これまでは、一方向からのマスメディア情報に頼るしかありませんでしたが、今後は自らが持つネットワークを介して、国や場所の制約を超えた完全にボーダーレスな世界から情報を入手し、その内容を自分で判断する、また、ネットワークの中で意見を戦わせ内容の是非を確認するという、これまでよりも自立的な情報収集がもっと身近にまた容易に出来るようになります。

従来のメディアは全体を上手くまとめて塊として捉え、同じ情報を広域に流しながらそこに共通の民意を作っていくことで伝達と統制の効率化を生みだし、それを自らの収益にも繋げてきました。広告宣伝や政治的なプロパガンダもこの仕組みを利用して行われてきましたし、ニュース配信も同じ仕組みの中で一元化され、不必要な(受益者やスポンサーに不利になる)情報を国民に知らせないという情報のコントロールも行われています。

統制された仕組みは政治的にも経済的にもその実効効率を高められるため、上手く機能すれば大きな成果を期待できます。しかし、そうした統制があまりにも強くなると、個人の自由や才能を阻害すると共に、特定の利害関係だけを優遇するような現象が生まれ、間違った情報や知識を信じて社会全体がある特定の意図された方向へと誘導されてしまいます。しかし、正しい情報が身近に存在しなければ国民は間違いに気付くこともありません。

これまでは情報を受け取る側に自分で必要なものを探しだすという方法が無かったのですが、こうして世界がネットワーク、それも企業組織や言語や文化に直接左右されないソーシャルネットワークで繋がるようになることで、自分で情報を探し出し確認できるという個人の力(ソーシャルパワー)が生まれます。


自分で情報を探して行くと、これまで常識だと思われていた内容がとんでもない間違いであったり、正しくない歴史を信じ込まされていたり、聞かされていない情報が沢山残っていたり、とにかく可笑しいと思われるものを沢山発見することになります。もちろん偏った情報収集では片手落ちとなってしまいますが、沢山存在する情報をしっかりと分析して行けばそれが正しいのかイカサマなのかも判断できるようになるでしょう。

また逆に、情報を確認するだけでなくこちらからも情報を発信し、ソーシャルネットワークを通して伝えたい内容を広げて行くということも出来るようになります。ここでも間違った情報を意図的に流す者が存在するでしょうが、これまでは受け取るばかりであった側が情報を発信できるようになれば、全体のバランスが調整されより客観的な結論を導けるようになるでしょう。その意味でも情報発信には非常に大きなインパクトがあります。


沢山の人の意見がネット上に流れていれば、それらをコンピュータ技術で収集し適切に分析することで、民意がどの方向にあるかを導き出す事も出来ます。マスメディアが意図的に行い恣意的な結果を示すアンケート(世論調査)の結果を信じる必要もありませんし、自分の目で見た真実をネット上に上げておけば、何事もなかったように報道されるニュースが嘘だということも伝えられます。合わせてそうした報道をフォローしている評論家や政治家が嘘をついていることも見破れるようになります。

Blippy のような仕組みが浸透すれば、実際に売れている商品はどれで、購入者はその製品をどう評価しているかという具体的な内容も確認できます。いかにも売れているように聞こえる広告に騙される必要もありません。最近のネット情報には商品を購入した個人の評価が沢山載っています。これらを丹念に調べて行くことで、該当製品の長所や問題点を購入前に把握し無駄な買い物を避けることも出来るようになってきました。


ソーシャルネットワーク上に特定分野を網羅したコミュニティーが存在するようになると、これまでの広告宣伝の概念も全く変わってきます。これまでは地域を特定して広告を打ったり、特定分野の媒体を通して広告を流したりしてきましたが、そこに既に集まったコミュニティがあるのであれば、そのソーシャルネットワークの中に必要な情報を一つ流すだけで、関係者に確実に届けられる広告を打つことも可能になります。

これまではどれだけのユーザーにリーチ出来るかで広告費が計算されて来ましたが、ソーシャルネットワークを利用するのであればもはや広告宣伝会社は必要ありません。自分が参加すればそれだけで良いのです。

あるスーパーで買い物する人が集まるソーシャルネットワークがあれば、その集まりの中に特売情報を流すだけで全員に情報を届けられます。もう新聞や情報誌にチラシ広告を入れる必要も無くなります。新聞の発行部数も TV の視聴率も全く真実ではなく新聞社や放送局、広告宣伝企業の利益獲得のために捏造されていることはネット上では常識です。


以上のような概念で社会が構成されるようになると、それまでの既得権益が破壊されて市場から退場を余儀なくされる企業や産業が発生するでしょう。もちろん抵抗勢力との産みの苦しみの戦いは激しいものになるでしょうが、そのような中で新しいビジネスや製品が現れ新しい世界が生まれて行くのだと思います。

そこにある情報に価値があるのではなく、その情報に人々がどう反応したか? 「いいね!」がどれだけ集まって来るのか、「良くない!」がどれだけ集まって来るのか、その結果の集計と分析こそが重要になってくるのです。特定の勢力によって集計され整理されたデータには恣意が入りますが、ソーシャルな中で生まれる数字が生の姿を現しているならば、自分で分析すれば現実を導き出せる確率は高まります。

そうすると全ての情報、製品、技術、ニュースなどにもソーシャルな入口が設置され、使い勝手もソーシャルな活用法を考慮したインターフェースに変わって行くことになります。

食品の袋の包装にソーシャルな入口の情報が記載され、スマートフォンのカメラでそのイメージを取ることで、スマートフォンに搭載されたソフトウエアを通じて特定のソーシャルコミューニティにその場で繋がり、そこで「お美味しかった」「まずい!」という評判を誰でもが届けられるようになるかも知れません。Twitter のようにリアルタイムにこういった情報が集まるならば、検索と集計によって今の売れ筋商品を時間別にお客さん自身が分析することも可能になり、反対に評判の悪い製品を(そのことを理由にして)店頭で値切って購入するという技も使えるかも知れませんね。

世界は自国通貨をどのように切り下げて輸出力を増大するかという通貨安大戦争になっています。
残念ながら政治力の全くない日本 はここでも円高を阻止できずデフレを止められそうにありません。アメリカは自国の競争力が回復するまでドルを刷り続け、更なるドル安(円高)を続けるでしょう。

しかし、それらも従来の仕組みが終焉を向かえ、断末魔の叫びを上げているのだと理解し、縦の流れが横の流れに変わるような ソーシャルネットワークによる創造的破壊 を見越して円高を有効活用する方策に転ずれば、また日本が浮上する道も生まれると思っています。



  

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