東日本大震災により、犠牲となられた方々へのお悔やみと、甚大な被害に遭われました皆さま方へ心よりお見舞いを申し上げます。また、被災地にて救出・復興支援されています皆様のご安全を心よりお祈り申し上げます。
未曾有の大震災・津波、そして原発事故と国難とも言うべき悲劇は、30日現在の警察庁のまとめで、
死者1万1362人、行方不明者1万6290人、計2万7652人となっています。
東日本大震災の地震発生時私は日本に滞在していました。幸い関西地区に居たため地震そのものの被害にあうことはありませんでしたが、流れるニュースを見ながら発生した地震規模の大きさと津波の破壊力に圧倒され、被害者、被災者の悲しみ、そして延々と続く復興までの道のりを思い言葉も無くただただ一人でも多く救われて欲しいと祈るのみでした。
思えば、あの阪神大震災の時は神戸にいました。東日本大震災の光景はあの時の経験を思い起こし、未だ心の中から消えていない震災の悲惨さと復興までの道のりが走馬灯のように頭の中を走りました。当時阪神地区に地震が発生するというような予知情報はなく、地震予知の研究など何の役に立つのだろう・・本当に必要な研究は、地震が起きた後如何に早くその被害状況を掴み、被害者を救い、ライフラインを復旧させ、救済への道を作るか・・・これらの研究を進めることこそが、地震国日本で一番大切なことだろう。と言い知れない疑問を持ったものです。
あれから 16年、今回の地震はその規模の大きさと大津波という未曾有の大災害となり、これまでの経験や知識を遥かに超えた惨事となりました。
大地震は何処にでも起こる。何時かは分からなくても・・何時かは起こる。この事実を前提としての国作り、町作りをして行くことが亡くなられた多くの犠牲者の方々に応えていく生き残った者の努めであると思います。
もちろん東北各県には地震・津波を想定した防災対策が取られていたようですが、これ程の規模の地震と大津波が発生する事は想定外であったと言えるでしょう。天災の規模を想定することなど我々人間に出来る事ではないのでしょう。でもそうした経験値を重ね合わせて更なる目標を掲げ、多くの災害を乗り切ってきた歴史が日本人の歴史でもあります。同じ国・地域に何世代も住み、悲しみや苦難を乗り越えたその歴史を語り継いで来たからこそ、先人の知恵と勇気が後世に伝えられ、新たな環境でまた強く生きて行く事が出来る。こうした日本人の持つ歴史感こそが、未曾有の災害にあってもお互いを思いやり、気遣い、助け合って生きて行く姿を世界に見せているのでしょう。世界はこの日本人の真の姿、そしてこれからの復興の状況を見て 21世紀の新たな奇跡を見ることになると信じています。
復興に懸けるのはのは、災害にあった方々ではなく我々生きている者達なのだという思いを忘れず、小さな事から取り組んで行きたいと思っています。
さて、まだまだ余震の恐怖ありますが大地震と大津波は治まりました。しかし、未だその収束を見せていないのが福島原発の災害です。
地震・津波は天災であり、人類全てが直面しながらも避けられないものと捉えられます。しかし、今回の福島原発事故の発生に至る経過と、地震・大津波後の対応を追って行くと天災だから仕方がないとは言い切れないものがあります。
まず、情報が錯綜し真実が何処にあるのかが掴めない中、事実を掴んでいない学者や評論家が適当な解説を流してしまう。現場が混乱していることは理解できても、情報の指示系統が乱れ、その質と透明さに非常に疑問が残る状態のまま時間が過ぎて行く状況を見ると、現在の政府の統治能力の欠如とリーダーシップの無さに絶望感を覚えるのは私だけではないでしょう。
今もって、原発の中で何が起こっているのか、はっきりしない。東京電力の協力会社の作業員が被曝する事故まで起こっていてもまだ事態がはっきりと見えてこない。現場の作業に当たっている方々は不眠不休でそれこそ命がけで懸命に取り組んでいるにもかかわらず、もう既に 20日が経過していても事態が見えてこない。これでは、何か大きな問題を隠しているのではないかと疑りたくなって来ます。
そのような状況の中で、東電の社長が疲労のため入院したというニュースが世界を駆けまわりました。CNN でもこの件は大きく取り上げられました。この記事を作成中には Embattled Japanese power company chief hospitalized due to 'fatigue' と題した CNN のニュースビデオがありましたが、現在は放映されていないようです。
とにかく、情報が一元化されていないため、東電、原子力安全・保安院、官房長官、総理大臣から別々に説明があったりします。ましてその情報の数量や単位が異なっていたりして、聞いている方は誰の話を信じればよいのか分からなくなります。原発については本来の専門家に情報を一元化し、責任ある政治家が政府代表として最終責任を持って情報を提供するべきです。今の状態では誰もが責任を取らない伝々ゲームを見ているようですね。
もちろん情報が時々刻々と変わるということは、事態が変化している証拠であるからそれ自体は問題ではないでしょう。しかし、情報を隠匿することは危機を管理することにならず、疑心暗鬼が流言飛語を呼び、不安を募らせ、風評被害を含めて大きな影響を起こす愚策であることを認識して情報の透明性を確保して欲しいですね。
ここへ来て私たちは、官僚体質とは何か、天下りとは何か、政治献金や企業と政治家の癒着とは何か、というような日本の政治に巣食う変えなくてはならない課題を突き付けられているようです。
官僚は自分たちの失敗を絶対に認めず、隠すために奔走し、そして暴走してしまう。この極めつけはかつての大東亜戦争ですが、今回の原発事故も同じような展開を見せているようです。福島原発は既に 40年を数えた老朽機であることが知れ渡っていますが、常識としての原発寿命は 30年であるにも拘らず東電はこれを継続稼働させていた訳です。まして昨年10月には 3号機を MOX 燃料の実験機にしています。元々危険な状態にある原発をそのままにしていたことこそが今回の災害を引き起こした要因と言えるでしょう。
福島原発が危険な状態であり安全対策が必要だということはこれまでも言われていたはずです。そうした中で昨年今回と同じような事故が実は発生していたことが明らかになっています。
2010年6月17日福島原発 2号機の発電機が故障し原子炉が自動停止。しかし、非常用ディーゼル発電機が作動しないという電源喪失事故を起こしていた。圧力容器内水位は瞬く間に低下、15分後にやっと非常用ディーゼル発電機が起動。そのわずか15分間炉心への給水が止まっただけで、瞬く間に危険な燃料棒がむき出しになるということだった。つまり、たとえ外部電源が遮断されても瞬時に緊急炉心冷却できる構造になっていなければ、あっという間に、メルトダウンしてしまうということが判明していたということです。
こうした事故が発生しているにもかかわらず昨年10月には、老朽 3号機に危険な MOX 燃料が入れられたということのようです。これらの事実の検証をしっかりと行っていれば今回のようなことは起きなかったはずだと今更ながら言えるでしょう。まあ、今となっては後の祭りです。
そうすると、たとえ大津波が襲ってこなくても今回のような事故は何処かで起こっただろうと考えられます。災害は十分な準備がしてあるところには来ず、油断している所にやって来る。このような経験値を国民全てが共有する必要があるのでしょう。現在の原発の状況からは再臨界になるような可能性は低いと考えられます。しかし、今後も引き続き燃料を冷やし続けなければなりませんし、放射線も出続けることは間違いないでしょう。これは何年も掛る大作業になります。
日本の原発の問題については、IAEA が既に警告を発していました。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110316/dst11031622470108-n1.htm
日本政府はこの警告を受け原発の安全性を高める約束をした。
↓
麻生総理が原発安全対策予算を盛り込む
http://www.bb.mof.go.jp/server/2009/dlpdf/DL200911001.pdf
59 ページに記載
↓
政権交代・民主党政権へ
↓
枝野(当時:行政刷新担当大臣)に仕分けされる
http://www.47news.jp/news/2010/10/post_20101019225402.html
http://www.cao.go.jp/sasshin/shiwake3/details/2010-10-29.html
↓
民主党政権が今年2月に福島原発の延長使用を承認
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201102/2011020700679
この流れの中にも天下りの問題が見てとれます。民主党は「天下りをなくす」と公約して政権に就きましたが、その他殆どの政策と同じようにそうした公約を反故にして、東大法学部卒の経済産業省エネルギー庁長官をたった 4ヶ月で東京電力に天下りさせました。そうなると、経済産業省の保安院は東京電力に頭が上がらなくなり、監督は有名無実、東京電力はやりたい放題で原子力発電所の安全性を放棄できることになっています。
こうした問題も実際にこのような災害が起こらないと判明しません。そして現実の被害を被るのは常に一般の普通の国民であるという悲劇が続くことになります。
原子力発電所の本当の技術を知っているのは東芝や日立という重電メーカーであり、運用している東京電力ではありません。東芝も日立も何時でも協力する体制を取っていながら、既に官僚と同質化してしまった東電からの要請が来ないために処理が出来ない状況が発生しています。
政府、官僚、天下りというズブズブの関係の中で、本当の技術の問題とは異なった形で災害が発生し、積み上げた技術とノウハウの発展が妨げられる愚・悲劇を繰り返してはいけないでしょう。
東京電力はここまで来て漸く福島原発を廃炉にすると言及しましたが、海水を注入した時点で廃炉になることは分かり切っている訳ですから、その時点から放射線の放出を止めると共に石棺化を含めた対策を取る必要があったのではないかと考えてしまいます。最悪の展開を想定してアメリカ軍の協力で放射能処理を行う必要があるのではないか。つまらないイデオロギーに支配されて、重要な対策を取れないような失敗は繰り返して欲しくないですね。
阪神大震災の時も政府は同じような左翼・村山内閣で、自衛隊の投入に躊躇し、被害を食い止めるタイミングを逃しました。今回の震災では自衛隊の活躍は消防や警察の活動と同じく、本当に称賛されるべき働きである事が誰の目にも分かります。
今後は財政・金融一体で大復興に踏み出して行かなければなりません。天災は起こるものであることを想定して、グランドデザインを早急に描き、東日本だけでなく、大都市も地方も産業も電力も大地震や災害に強い日本列島に作り替えることを考えて行かなければなりません。100兆円規模の復興資金を想定した日銀引き受けによる復興国債の発行というような大胆な政策を推進すれば、21世紀の日本の奇跡を起こせるはずです。
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